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笑顔の真ん中で


先日「いと 運命の子犬」の出版記念パーティーが原田マハさんと秋元良平さんお二人の主催で開催され、主人と息子、わたし、いとが出席させていただいた。

パーティーには本の登場人物である三家族と、介助犬協会の方々、出版社の方やその関係者、そして著者であるお二人とスタッフの皆さんという、いとに関わった人達だけが出席。

とてもアットホームな温かい雰囲気のパーティーだった。


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パーティーの中心はやっぱり本の主人公である「いと」。

何も言っていないのに、出席者全員のところを隈なく周り愛嬌を振りまく。

「いと」の行った先には歓声が上がり、その顔が素敵な笑顔に変わる。


電動車椅子に乗って出席したわたしは会場の一番後ろに座り、その光景を見ているだけでとても幸せな気持ちでいっぱいになった。

一匹の犬が、周りに居るたくさんの人達を一人残らず笑顔に変えていく光景は、言葉には言い表せない程感動的だ。


笑顔の真ん中に、「いと」がいる。

笑顔の中心が自分だなんて、全然気付いていないけど。

そして、その笑顔はどんどん大きく広がっていく。

「糸を紡ぐ」ように、この笑顔が繋がっていくといいね。


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「いと」の本

去年の9月の初め、介助犬協会の伊藤さんから突然電話があった。

「盲導犬クイールの一生」の写真を撮られた写真家の秋元良平さんが、「いと」の本を出版されるという。

秋元さんは「いと」が子犬の頃からずっと成長を追って写真を撮ってくださっていて、介助犬になれなかった「いと」がわたしの家に引き取られて幸せになった姿をカメラにおさめる為に、協会から引き取った当日に我が家まで同行していただいて以来、親交を深めさせていただいていた。

伊藤さんの話しをよく聞くと、秋元さんだけの写真集ではなく作家の原田マハさんという女性が文章を書くのだという。

その原田マハさんと秋元さんが本の執筆に取り掛かる前に、わたしに取材をしたいという旨だった。

実はその電話を受けた数日程前、わたしはALSの疑いで大学病院に検査入院することが決まっていて、多分一週間位と言われたベッドの空きを待っているところだった。

その時すでに体調もかなり悪かったので却ってご迷惑かと一瞬迷ったけど、「いと」についての一大事・・・。

ここは母として頑張らなければという想いで、病気のことを少しだけ話し「入院前までに来ていただけるなら」という条件でお受けした。

そしてわたしの入院2日前、お二人が忙しいスケジュールを割いて我が家へ来てくださった。

秋元さんは久し振りにお会いしたのに、前回お会いした時のままのいつもの自然体の笑顔とトーク。

マハさんは初めてお会いしたのに、何故か旧友に会った時のような懐かしい不思議な感覚に襲われた。


「いと」について、「介助犬」について、「人生」について、「子供の教育」について・・・。

短時間だったけど、密度の濃いお話しをたくさんさせていただいた。

入院中はマハさんと何度もメールのやり取りをさせていただき、マハさんからの励ましのメールと「いと」の本の完成を励みに入院生活も頑張れた気がする。


そして今日から約一か月後・・・。

3月24日(木)に 「いと 運命の子犬」 が 文藝春秋 から出版されます。

介助犬協会の主旨について、介助犬の使用者の方々の喜び、介助犬を育てる人達の想い、そして介助犬になれなかったけど、そのことこそが運命だった「いと」について丁寧に描かれた本です。


入院中にわたしがマハさんに送ったメールの一文です。

「人生も犬生も、やはり終わってみなければわかりません。
 
 精一杯生きていれば、きっと素晴らしいゴールが待っている筈だと信じています。」


いつもニコニコ余計なことは言わない秋元さんが、ファインダーを通して伝えたかったこと。

いつもパワフルで元気いっぱいのマハさんが、風邪でダウンしながらも必死で描きたかったこと。

介助犬の育成に携わる方々が、一人でも多くの人に介助犬の素晴らしさを知ってほしいと思う願い。


みんなの想いがひとつになって、たくさんの人達に伝わることを祈っています。


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サンタが愛知からやってきた!


先日、介助犬協会の水上さんと伊藤さんが「いと」にクリスマスプレゼントを持って会いに来てくださった。

久し振りにお二人の顔を見たとたん、ちぎれるかと思うほど尻尾を振り大はしゃぎの「いと」。

私には見せたことの無い「赤ちゃん顔」で甘える「いと」を見て、「いと」が私の家に来たことを「自分の大切な役割」だと思っていることに気付いた。

「介助犬になれなかった」ということは人間から見た尺度であって、当の本人の「いと」は訓練が最後まで終わったのか途中でリタイヤしたのかなんて知るよしもない筈。

「いと」は私の家に来た瞬間から、先住犬のメロディーに従い協力し合い、私達家族を守っていくことが自分の大切な役割だと思っているんだと感じた。

もしそうだとしたら、「いと」はやっぱり立派に役目を果たしている。

しかも、無理なく自然にサラッとやってのける・・・。

人間の私も見習わなくちゃ!

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「いと」が紡ぐ(つむぐ)縁

2週間程前から介護ヘルパーさんの入る回数が増えた。

その介護ヘルパーさん達は、なんと4か所の別々の会社から派遣されてくる。

今後進行していき人工呼吸器をつけた時に、24時間の介護を確保するためのケアマネさんの作戦だ。

先週、その介護ステーションのひとつ「K」のセンター長S氏が、夕方入る予定だったヘルパーさんと一緒に突然家にやって来た。

元コンピューター関係のお仕事をされていたということで、関連会社の介護ステーションの仕事を担当してまだ2年だという。

とてもスマートで笑顔が素敵な男性だ。

S氏   「突然で失礼かと思いましたが、ご挨拶に伺いました。」

わたし 「わざわざ来ていただいて、すみません・・・。」

(ちょっと待てよ・・・、そんなお偉いさんがわざわざ利用者の家に名刺を持って訪問するなんてちょっとおかしいよね・・・。)

頭の中が「?????」になっているわたしに彼が一言。

S氏   「いやー、実は可愛いワンちゃんがいるって聞いたもので、事業所の皆に内緒で会いにきちゃいましたーーー(*^_^*)」

そういうことか・・・。

S氏   「あのー、お散歩にいってもいいですか?」

わたし 「もちろん!よろしくお願いします(=^・^=)」

と、ちゃっかりお願いしてしまった。

「いと」とメロディーはもちろん大喜び。

お散歩から帰ってきた彼の顔は、ワンコ達以上にとっても輝いていて、まるで少年のようにはしゃいでいて幸せそうだった。

お散歩をお願いしてしまって「申し訳なかったかな~」と思ってちょっと恐縮していたのに、わたし(というより、「いと」とメロディー)が、何か良いことをしたみたいな気分になった。

話しを聞いてみると、少し前に飼っていたゴールデンの男の子を病気で亡くしたばかりだったそうで、メロディーと「いと」のことをヘルパーさんから聞いたとたん、会いたくていてもたってもいられなくなってしまったそうだ。

S氏   「これからも時々会いに来てお散歩してもいいですか?」

お散歩して欲しかったのはわたしの方だったのに、またしても「お願い」されてしまった・・・。

そして、今日また本当に来てくれた。

ヘルパーさんの話しだと、朝のミーティングで「今日はタケコさんの家にいきます。」と言ったら、ミーティングの後にそっと寄ってきて、「僕も後から行っていいかな~?他の人には内緒にしておいてね。」と言われたそうだ。

夕方になるにつれて「ソワソワ」し出したS氏は、本当にまるで少年の様だったそう・・・。

犬にしてあげてるつもりのお散歩に、実は人間が癒されているんだと実感した。

そして、そんな少年の様な心を持っている素敵な人と出会えたわたしも、また癒された。

なんて幸せな「縁」なんだろう・・・。

こんな素晴らしい「縁」を紡いでくれた「いと」とメロディーに、感謝の気持ちでいっぱいになった。

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介助犬になれなかったけど

わたしの家には2匹の大型犬がいる。

アメリカ生まれの黒ラブ-メロディー(12歳)と、京都生まれ千葉育ち、介助犬協会から来たラブとゴールデンのミックス-「いと」(3歳)だ。

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2人とも女の子で、わたしにとって人間の息子(9歳)と同様、可愛い娘に何ら変わりがない。

「いと」が我が家にきたのは2年前のちょうど今頃だった。

その1年程前に主人のたっての希望で、介助犬協会の「キャリアチェンジ犬を引き取るボランティア」に登録していたが、先住犬メロディーがしっかり者でちょっと気難しい性格なので、女の子でやさしくてのんびり屋の子がいいと思い、そういう子がキャリアチェンジするまで待っていた。

介助犬協会から紹介された「いと」は、まさにその希望通りの性格だった。

初めて「いと」に会った時からメロディーも私も(勿論主人も息子も)「いと」の愛くるしさにメロメロで、特にあの気難しいメロディーが最初から「いと」を気に入った様子から「この子しかいない」と確信した。

顔はすごく美人なのに、お茶目で甘えん坊で寂しがり屋でちょっと間抜け・・・・。

散歩の時に知らない人や車とすれ違う時、メロディーは私をガードするように私の左側にスッと入って守ってくれるけど、「いと」は「怖いの~~」とメロディーと私の影に隠れてしまう。

まったく頼りにはならないけど、私もメロディーも「いと」のそういったところが一番のお気に入りだ。

先日ある人から「介助犬になれなかった犬を引き取った時、どう思いましたか?」と聞かれた。

聞かれた瞬間、私の頭の中は「??????????」となった。
聞かれた理由が分からない。
というか、「介助犬になれなかったこと」が特別なことなんて、聞かれるまで一度も考えたことがなかった。

確かに協会の人達やパピーホームの方々は、「いと」に期待して一生懸命これまで育ててくれたに違いない。

その事実には本当に感謝している。

その期待があった人達にとって、「いと」が介助犬になれなかったことは「残念」なことなのだろう・・・。

でも、「いと」は「介助犬候補生」という前に「ただの犬」だ。

「ただの犬」というと言い方は悪いかもしれないけど、私だって「インテリアコーディネーター」「妻」「母」という役割の前に「ただの人」だ。

役割は「ただの犬」「ただの人」に後から付いてくるものだから、その役割はいつどこで変更したっていいに決まってる。

「いと」は「介助犬候補生」から「我が家のアイドル」に転身しただけだ。

たったそれだけのこと・・・。

「落第」じゃなく「転身」しただけ・・・。

そして今、「いと」は幸せな「なんちゃて介助犬」として私の傍に寄り添っている。

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人間だって犬だって、役割や生き方を途中で何度変更したっていい筈・・・。

幸せになる為に・・・。

Appendix

プロフィール

takekos1

Author:takekos1
はじめまして、takekos1(タケコ)です。
四年前までフリーランス・インテリアコーディネーターとして仕事をし、小学校3年生の男の子の母親で、育児&家事に追われる普通の42歳の主婦でした。
突然のALS発病で大好きだった仕事を失くしたけど、どんな時でも笑顔だけは忘れず残された日々を楽しみながら生きていたら、突然進行が止まりました。
そして、今新たな幸せな人生を歩み始めています。
難病だって身体が動かなくなったって、生きていればきっと幸せは見つけられるって信じてます。
病気についての詳しいことは、下記のブログで書いています。
http://plaza.rakuten.co.jp/takekos1/

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